Overview
概要
臨床腫瘍科は2024年7月に立ち上がった、がん治療の柱の一つであるがん薬物療法を専門とする診療科です。
近年、免疫チェックポイント阻害薬や新規分子標的薬の開発が進み、がんの治療成績は飛躍的に向上しています。
一方でこれらの薬剤を安全かつ適切に投与するために、より高度な専門的知識が求められるようになっています。
当科ではがん薬物療法専門医の資格を有する医師が最新のエビデンスに基づき、個々の患者さんのニーズに合わせたがん薬物療法を提供しています。
当院における外来での抗がん薬投与件数は年間約21,000件ですが、その半数以上を当科で担当しています。
またがんゲノム医療に関しても当科が中心となって担当しており、近隣施設からもがん遺伝子パネル検査目的の紹介患者を受け入れています。
研究面では、日本臨床腫瘍研究グループ (JCOG) や国立がん研究センター東病院が主導しているSCRUM-Japanなどの多施設共同研究に積極的に参加しており、新たなエビデンスの創出に努めています。
当院は患者数が多く、SCRUM-Japanにおける患者登録数は全国でも上位にランクされています。
基礎研究を行う環境も整備されており、基礎研究室と連携し、トランスレーショナルリサーチを行うことも可能です。
教育面では、学生ならびに大学院生を対象としたがん薬物療法の講義や臨床実習を担当しています。
文科省採択事業 次世代のがんプロフェッショナル養成プラン「阪神5大学サステナブルがん人材養成プラン」に所属する大学院生の指導も行っています。





Q&A
医療関係者向け治験に関するQ&A
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治験や臨床試験とは何ですか?
A治験・臨床試験は、新しい治療法の有効性と安全性を確認するための研究です。国が定めた厳格な基準に従って実施され、患者さんの安全性を最優先に進めています。
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どういった治験や臨床試験を行っていますか?
A現在、固形がんに対する治験・臨床試験を複数実施中です。国際共同治験への参加も含め、未来の標準治療に研究として参加が可能な場合もあります。
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紹介するにあたり懸念すべき点などありますか?
A治験参加には適格基準があり、全ての方が参加できるわけではありません。参加前には十分な説明を行い、通常診療との違いについても丁寧にご説明いたします。まずは、ご相談ください。
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治験参加のメリットやデメリットはありますか?
A最新の治療を受けられる可能性がある一方、予期せぬ副作用のリスクも存在します。また、治験によっては費用負担が軽減される場合もあります。受診時に、個々の治験の状況に応じて、詳しくご説明いたします。
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当科受診後に参加を断ることはできますか?
A治験や臨床試験の参加は完全に任意であり、参加後でもいつでも辞退することができます。辞退後は通常の診療に移行し、継続して最適な治療の提供を目指します。
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がんゲノム遺伝子プロファイリングで特定の遺伝子異常が指摘されている方が対象ですか?
A特定の遺伝子異常を有する患者さんを対象とした治験以外にも様々な治験があります。当院で実施しているものもあれば、他院に紹介するような場合もあります。個々の患者さんに対して、適切な対応が出来るように調整を行っています。

臨床腫瘍科の未来を担う
皆さまへ
エビデンスに基づく臓器横断的がん診療
Evidence-Based Oncology